建設工事会社や土木工事会社などに携わる方にとって、「
施工計画書」の作成は今後必ずと言っていいほど必要になる作業です。依頼を受注した元請け会社が自社で工事を行う場合は、基本的には自ら施工計画書を作成するようになります。一方で、実際の建設工事現場や土木工事現場での作業に関しては下請け会社に委託するような場合には、実際に作業にあたる下請け会社の担当者が施工手順や工法等のありとあらゆる詳細を記載した施工計画書を作成して、現場の監督職員に提出するようになります。
目的物を完成させるための工事に関連した項目は非常にたくさんありますし、受注者から依頼された設計図書に基づき計画を立てるのも思いのほか時間が掛かります。そのため、施工計画書の作成には1カ月ほど掛かってしまうことがありますし、作成後に訂正が必要になれば作成し直す必要が生じます。
このことからも、工事が着手される前には必ず施工計画書の作成を終えておく必要がありますし、計画通りに着工して予定通りに作業を完了させるためにも時間に余裕をもって施工計画書を作成しておいたほうが安心です。
こちらでは、建設工事現場や土木工事現場などで必要にある「
施工計画書の重要性」をはじめ、「
施工計画書を作成する際のポイント」や、「
施工計画書関連の知っておきたい情報」等を色々とご紹介します。
施工計画書の重要性とは?
工事を始める前には、必ず「
施工計画書」を作成して現場の監督職員に提出する必要があります。施工計画書は工事の受注者である元請け会社が発注者に対して提出し、依頼された工事をどのような施工で進めるかを文書として伝えるための手段でもあります。
その他にも、施工計画書の作成が必要になる理由は色々とあります。
「これまで施工計画書を作成したことはないけど、今後作成する機会がありそう」、或いは「建設工事や土木工事などに少なからず携わる仕事をしている」といった際には、ぜひ以下でご紹介する「施工計画書の重要性」を御一読ください。
■受注した工事の施工計画を発注者に伝えるために必要
施工計画書は、その工事に携わるさまざまな施工方法や管理方法、そして安全対策の方法等に関する情報が色々と記載された書類です。工事を依頼した発注者が代金を支払うことを約束した契約書や設計図書に基づいて作成する施工計画書は、「
発注者に工事の施工計画を明確に伝える」ためにも非常に重要な作業になります。依頼された工事に対して、どのような施工方法で、どういった機械や資材を使って作業を進めるか等、工事に関わる計画を様々な項目に分けて施工計画書に記載します。安全に、そして正しい方法で工事を進めるためにも、提出された施工計画書の内容を工事現場の監督職員が確認して許可が下りた時点で実際の工事に取り掛かることが大切なことだと言えるでしょう。
■全員が共通理解のもと正しい方法で工事を進めるため
建設工事や土木工事など、工事現場の規模が大きくなればなるほど工事の発注者をはじめ、工事を請け負う元請け業者、実際に工事現場で作業にあたる下請け業者、そして工事に携わる協力業者など、工事に関係する人の数も増えていきます。
施工計画書には工事の施工計画をはじめ、施工する上での管理方法や安全対策等、さまざまな内容が記載されています。目的物を完成させるためには最終的な出来上がりだけが重要になるのではなく、計画通りに、そして安全第一に工事を完了させるための「プロセス」がとても大切なポイントになるためです。
実際の工事を遂行する下請け業者だけが施工内容や契約等を把握していても、発注者や元請け業者が理解していなければ後で問題が起きたとしても対処のしようがありません。
そのため、工事の発注者をはじめ、元請け業者、協力業者、そして実際に工事を行う下請け業者と工事に携わる全ての関係者が施工計画書を理解して、全員の「
共通理解」を得た上で工事を進めることが重要になります。
契約書や設計図書等を基に作成された施工計画書の内容が正しいものか、もしくは間違っているのかを判断するためにも、工事に着手する前に施工計画書を提出する必要がありますし、その内容に誤りや訂正箇所があれば着手前に改めて作成し直す必要があります。
■工事を受注した際に速やかに施工計画書を提出するため
建設工事や土木工事に関する仕事を受注した際には、発注者にできるだけ早く施工計画書を提出すると印象が良いですし、出来ることなら先方から催促される前に速やかに提出できれば安心です。
ただし、これまで一度も施工計画書を提出したことがない場合には、施工計画書に何を記載すれば良いか分からず戸惑ってしまうことも多いはずです。そのため、
新規の工事依頼を受注した時のために備えて、施工計画書を作成するために必要な基本情報や、作成方法などについて押さえておくと安心です。
また、施工計画書の書き方や作成方法に悩んだときには、はじめての方でも気軽に利用できる「
ひな形(テンプレート)」を使用するのがおすすめです。ひな形の内容を参考に若干の手を加えただけで簡単に施工計画書を提出できますし、建築工事をはじめ、土木工事や機械設備工事等の依頼にも応用できるひな形もあるため、はじめて作成される方は積極的にこういったひな形を活用することをおすすめします。
■仕事の効率化を図るためにも便利な施工計画書
着工する前に現場の監督職員に提出する必要がある施工計画書は、「仕事の効率化を図る」ためにも重要になる書類です。
一口に施工計画書といっても、その内容はさまざまな項目に分けられていることから、施工方法や使用する資材、機械といった詳細なども細かく記載する必要があります。小規模の業者にとっては必要な情報を集めるだけでも時間がかかる作業ですし、工事の種類によっては建設工事用、土木工事用、電気設備工事用とさまざまな種類ごとに専用の施工計画書を作成する必要があります。
請け負う工事の種類によっては施工計画書の内容が異なるため、その都度変更が必要になりますし、工事に携わる関係者各位と共通の意識のもと、同じ目標に向かって「
作業をより効率化」し、現場で作業にあたる職員が「
快適」に、そして「
安全」に作業を行うためにも、正しい内容にこだわり作成することが必要不可欠です。
施工計画書は、これまで作成していた種類とは違った施工計画書を作成する場合もあることから、そういった時にはある程度基本の項目が出来上がっているひな形(テンプレート)等を利用すると便利です。
施工計画書
作業手順書